376359 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ネパール最新情報tetywestさんより

tatywestさんのご友人がネパールで医療のお仕事をされています。
そのご友人から受け取られましたメールを、私に届けてくださいました。
ネパール最新情報です
是非、皆様にも読んでいただきたくて、ここにUPいたしました。

ご感想など有りましたら、是非是非掲示板に!私書箱にお寄せください。

*********************************************************************
さてネパール編です。ネパールには今年で5 回目の参加になりますが、これはNGO つまり民間団体の企画ですので、まったくのボランティアということになります。来年もやる予定ですので、ちょっと宣伝させてもらいますが、歯ブラシ、石鹸、タオル、色紙、ボールペン、画用紙、ノート、子供用の衣類。玩具、そのほか何でも役に立ちますので、皆様方のご家庭で不要なものがありましたら、一言声をかけて下さい。
現地で「毛沢東主義者」なるゲリラの一団が暴れて、「国家非常事態宣言」がでていたことは前に述べましたが、そうでなくとも国際テロの影響で今日本発の国際線の乗客が減っておりますので、空港も機内も、カトマンドゥのホテルもずいぶんと閑散としていました。なおカトマンドゥへの直通便は関西空港発のロイヤルネパール航空しかありません。しかも日曜と水曜だけです。たいていはトレッキング客で満席なのですが、今年は40% 程度です。お蔭で楽なフライトでしたが、飛行機会社は大変でしょう。なお機内食は5 年間不変です。メニュー冊子もきちっと回収してますし、ずいぶん使い込んだ代物です。機体もジャンボではなくたしかB767という片側3 席、合計で1 列6 席という小さなヤツで、途中で注油のため上海に立ち寄ります。機体はときどき中国南西航空だとか、トルキスタン航空だとかの借り物で運行することがあります。自分の乗る飛行機がどれなのか、外から見ただけでは分からないのです。
 日本とネパールとの時差は3 時間15分で、この15分という半端な数がいったい何なのか常に疑問なのですが、一番有力な意見は「インドに対する反発」です。国の三方をインドという大国に囲まれて、政治的にも経済的にも圧迫されてきた長い歴史がありますので、「我々はインドの属国ではない」という主張が込められているという見解です。
ネパールは毎年行っても、驚くことにこと欠かない国ですが、今年は空港の事務作業が少し効率的になったのがまず最初の驚き、カトマンドゥから目的地までの道路( これは西はインドから東西に国土を横断し、東北方向でチベットへ抜けるというネパールの基幹道路。" ハイウェイ" と呼ばれてますが、その実体は片側1 車線でほとんどが未舗装。乾期なので土煙がすごい) が舗装されたこと、そしてホテルの部屋に電気ストーブが置かれ( といってもやはり寝るときは湯たんぽが必要) 、テレビが置かれ、しかも電話が通じるようになっていた! 最後のは少し説明が必要かもしれません。ずっと前から部屋に電話器はあったのですが、見せ掛けだけで通じなかったのです。たとえばモーニングコールを頼むと、朝に従業員がドアをノックしにくる具合だったのです。ところが今年は一部の部屋だけですが、ちゃんと電話がフロントに通じたので驚きました。そういえばシャワーも昔よりお湯のでる確率が増えたような気が・・・(太陽熱による加熱なのですが、今年から電熱も併用しているとか)。しかしトイレは昔から水洗で、しかも紙が使えますからたいしたものなのです。ネパールに限らず東南アジアからトルコにかけての一帯のトイレは、排泄後に水をかけながら左手でお尻を洗うというトイレですから、本来紙は濡れたお尻を拭うためであって、便器には流さず備え付けのゴミ籠に捨てるものなのです(したがって食事の時は右手のみ使用する)。
昨年はカトマンドゥ市内でバンキングマシンが登場、つまりキャッシュカードが使える銀行が登場したのに驚きましたが、今年は毎年一緒に仕事をしている通訳さんが携帯電話を使っている( でもカトマンドゥ周辺でしか使えません) のに驚きました。急速な変化です。レコード屋もカトマンドゥ市内ではもうカセットはなくなって、ほぼすべてがCD化しておりました。個人でパソコンを持つ人もかなりいるみたいで、昔は8 万ルピア(12 万円くらいか) だったのが、今は3 万ルピアくらいで買えるそうです。機種は「アセンブリー」といっておりましたから、おそらくは中古のパーツを輸入して、国内で適宜組み立てているのだと思います。カトマンドゥのような都会では中産階級もしだいにその数を増やしているのでしょうが、田舎ではあいかわらず昔のままの生活で、その意味では国民間で格差が広がっているのでしょう。ネパールはインドと同じようにカースト制がありますが、非常に複雑で全体像は捉えきれません。血すじ、出身地、職業、などが色々からみあっているようで、高いカーストの人が必ずしも金がもうかる職業についているというものではないようです。カーストが高いということは精神的に清浄度が高いというのが基本精神のようで、高いカーストの人達は生活における束縛(タブー: 酒を飲まないとか) が低いカーストの人より多いらしいのです。


さて、ネパール編の後半です。今やネパールでもキャッシュカードが使え、CDが売られているという状態ですが、それはあくまで首都のカトマンドゥなどごく一部に限った話です。今年は非番の日にバクタプールという町に行きました。この町はかっての王宮の所在地で、このバクタプールとパタン、それに現在の首都カトマンドゥの三つの町が、ネパールの都市文明を育てた土地でありますが、いずれもカトマンドゥ盆地内で互いに近接しており、まとめて世界遺産です。とくにバクタプールはドイツの企画による古都保存対策が効を奏していてますが、その一環として我々外国人は町に入るのに入場料を払うことになります。リトル・ブッダという映画のロケ地でもあるそうです。
ところが田舎の方へゆきますとずいぶん古典的な世界になります。なにしろ今時、「毛沢東主義者」なんてのがいるくらいです。バス通りまで徒歩2 日、バスに乗って2 日という距離から来る患者なんてのは、いったい日頃どういう生活をしているのか疑問に思いませんか。今年来たある子供の患者の話ですが、2 歳の男の子です。髪が長くその一部がポニーテイルになっているのですが、何やらグリースみたいなので固めてありまして、これが何かと思えばウンチで固めているのですね。親に聞きますと、「三歳になるまではこうしておかないと病気になる」のだそうです。そう思えばあたかも守護神のごとく一匹の蠅が頭の回りを飛び回っている。これを手術室に連れてゆくのか? と思うでしょう。でも現地の習慣を尊重するのは海外にでるさいの基本姿勢ですから、そのままやりました。ただ、坊やの頭にはディスポの帽子をしっかりと被ってもらいました。
これで思い出したのが、ある人のネパール紀行の文です。某村へ行ったらその村の道路や家の土間はウンチで舗装! されているというのです。踏み込むと地面がしっとりしており、独特な臭気がただよっているのだそうです。以前に、さすがに不潔だとしてネパール政府が公費で石畳に作り替えることを提案したらしいのですが、すると村人たちは「石畳では子供が転んだ時に怪我をする」といって拒否したのだそうです。うーむ。ウンチも貴重な資源なのだ。そういえばウンチを豚の餌にするところもあるし、乾燥させて燃料にする所も世界中にはあります。そういえば日本も昔は肥料にしていた。ウンコを整髪料にして何が悪い。
さてネパールの食事の基本は米飯と豆のスープ、それに野菜炒めあるいは煮物の三点セットで「ダルバード」といいます。昔の日本に似てますね。われわれのような外国人が食べる店では、これでは蛋白質が足りなくて不満がでるので、肉の入ったカレー汁が付きます。鶏肉か水牛か猪あるは山羊です。ヒンズーは牛は食べないはずと思っているかもしれませんが、水牛は問題なしです。インドの南の方ではヒンズーでも牛を食べて構わない地方もあるそうですが、とにかく水牛はノープロブレム。酒はロキシーという米焼酎が強烈でかつうまい。
今年は看護婦さんたちのうち何人かがお腹を壊しまして数日苦労しておりましたが、まとめて「ゲリピーズ」と名前をつけました。「トイレット娘。」の方が良かったかな?
幸い、私は胃腸が丈夫にできておりますので海外ではこうした苦労はしてません。下痢の時の対処というのは、ただ下痢によって失われる水分と塩分を補給して悪いものをすべて流しだすというのが基本で、下手に下痢止めを使用すると状態が悪化する可能性があります。しかし何より大切なのは、「危うきに近寄らず」です。まさか生魚を食べる人はいないでしょうが、生水、生野菜、生卵( 半熟も) は注意深く避けなくてはなりません。
ネパールは日本と比べると不便も苦労も多いけれど、何度も行っていると愛着が湧いてきます。「高校3 年にもなってまだぼんやりしている」娘を鍛えるために親子で参加した看護婦さんも今年はいましたが、若い人にはいい経験だったでしょう。あるいは衝撃的な・・・かも。私は昨年で5 回目ですが、毎年新発見があり楽しみにしています。
今年もまた行くつもりですので、来年の今頃にその体験談を話せるようになると思います。では今回はこのへんで。

**********************************************************************

旅日記に続く



© Rakuten Group, Inc.